対立の概念

 

この全体は対立物の合一したものではない。なぜなら、対立というものは存在しないからである。これに対し、運動・変化・多なるものは、死すべき人間のドクサにすぎない。「アキレウスと亀」の例は運動が存在しないことを示すために提起された。

以上がパルメニデスの課題である。これに対しエンペドクレスは以下のように答えた。

知性をはたらかせる限り、感覚に対する信頼は保持できる。不生不滅であるものは4つの「根」である。世界はこの組み合わせによって形成されている。パルメニデスと同様、空虚の存在は否定した。動の説明においては、愛と争いの相互によって説明している。愛は調和と統一をもたらし、争いは分裂・分離をおこす。4つの「根」がこれによって統合・分離して、世界の生成が周期的であることを説明している。